「天障院篤姫」上・下巻 読み終えました!
面白かったです。
TVで見たからより読み易く、面白く感じたのはあると思いますが、何度も涙したり、目が疲れているのに読むのが止まらなくなったりと、やはり宮尾登美子さんの文章に引き込まれたのを感じました。
大奥を取りまとめ、幕末には江戸城無血開城を成し得た人物ということで、すごいやり手の豪快な女性をイメージしていましたが、全く違いました。冷静で、忍耐強く、孤独に耐え、情が深い・・・。そんな女性でした。
印象に残ったのは、当時は自分の人生が自分の思い通りにはいかないこと。結婚も政略結婚で幼い頃から顔も知らない相手との縁組みが決まっている。でもそんな中でも結婚相手やまわりの人間との間に懸命に幸せを見いだそうと前向きに生きる姿勢でした。
(NHKのHPより)
それと、何と言っても「女の道は一本道」というドラマの中の言葉のとおり、女は前に進むしかない、引き返すのは恥である という女性の生き方でした。嫁ぐにしろ、奉公にあがるにしろ命を懸けてでもやりぬく。
時代が違うとはいえ、そういう姿勢はやはり見習わなければならない事だろうと思います。
人間模様や登場人物の心情が興味深く描かれていたのですが、「これはどこまで事実に即しているのか?」が知りたくなります。歴史小説という文学ということで、物語として読むべきなのでしょうが、入念な下調べのもとに書かれているそうです。
「家茂は慶喜に毒殺された事を子々孫々に伝えよ。」というのが徳川家に伝わる天障院篤姫の言葉で、作者が徳川家子孫の女性から直接聞いたそうです。
今回の「天障院篤姫」との出会いで、日本の歴史の興味を持つ事が出来、自分にも読書を楽しむ事が可能とわかりとても良かったです。ただ、漢字には常にフリガナをお願いしたい。。。